錠剤やカプセル、軟膏や点眼剤など、薬のさまざまな剤形について詳しく解説しています!!
もくじ
剤形とは?
薬にはいろいろな形があり、この形のことを「剤形(ざいけい)」と言います。剤形は、薬を飲む人や使う場所、効き方に合わせて工夫されています。それぞれの剤形の特徴や使い方、メリット・デメリットを一緒に見ていきましょう!!
内服薬
内服薬とは、口から飲んで体の中で効く薬のことです。
錠剤(じょうざい)
錠剤は、薬の成分を粉末状にして固めたもので、丸い形や楕円形が多く見られます。水で飲み込むことで、胃や腸で溶けて体に吸収されます。
病気や症状に合わせて、大きさや厚さ、色や形がいろいろあるのが特徴です。
ロキソニン錠、アレグラ錠などが錠剤です。
▼錠剤のOTC薬(市販薬)
カプセル剤
カプセル剤は、ゼラチンでできた筒の中に薬を入れたものです。カプセルの中には粉薬や液体が入っており、体の中に入るとカプセルが溶けて薬が出てきます。カプセルで包まれているため、薬のにおいや味をあまり感じずに飲むことができるのがメリットです。ただし、カプセルが大きいと飲みにくく感じることもあります。
わたしのような剤形がカプセル剤です。
▼カプセル剤のOTC薬(市販薬)
散剤(さんざい)
散剤は、いわゆる「粉薬」のことです。サラサラした粉になっていて、水やジュースなどと混ぜて飲むことができます。錠剤やカプセル剤よりも早く体に吸収されるため、薬の効果がすぐに現れることがあります。また、量を調整しやすいので、患者さんの体の状態に合わせてぴったりの量を使うことができます。
次に紹介する顆粒剤と散剤の間くらいの大きさの粒子を持った「細粒(さいりゅう)」というものもあります。
ビオフェルミンR散などが散剤です。
▼散剤のOTC薬(市販薬)
顆粒剤(かりゅうざい)
顆粒剤とは、散剤よりも粒が大きくて、粒の大きさがほとんど同じ薬のことです。粒が大きいため、散らばってしまう心配が少なく、飲みやすいのが特徴です。
葛根湯エキス顆粒などが顆粒剤です。
▼顆粒剤のOTC薬(市販薬)
内服液剤(ないふくえきざい)
内服液剤は、薬を液体の形で飲むタイプの薬です。飲みやすく、体にすぐ吸収されやすいですが、保存が難しく、外出先では持ち歩きにくいことがあります。
ラキソベロン内用液などが内服液剤です。
▼内服液剤のOTC薬(市販薬)
シロップ剤
シロップ剤は、甘い液体の薬で、特に子どもが飲みやすいです。飲みやすい反面、飲みすぎないように注意が必要で、保存方法を間違えると薬の品質が悪くなることがあります。
ムコダインシロップ、アスベリンシロップなどがシロップ剤です。
▼シロップ剤のOTC薬(市販薬)
外用薬
外用薬とは、皮膚や目、鼻など体の外に直接使う薬のことです。
軟膏剤(なんこうざい)
軟膏剤は皮膚に塗る薬です。皮膚のトラブルに直接塗ることができて効果的ですが、塗った後にべたべたすることがあります。
ロコイド軟膏、プロトピック軟膏、ヒルドイド軟膏などが軟膏剤です。
▼軟膏剤のOTC薬(市販薬)
クリーム剤
クリーム剤は軟膏より軽い質感で塗りやすく、べたつきにくいのですが、効果が少し弱いことがあります。
ヒルドイドクリームなどがクリーム剤です。
▼クリーム剤のOTC薬(市販薬)
ローション剤
ローション剤はさらっとした液体で肌に塗りやすいのですが、乾くのに時間がかかることがあります。
ヒルドイドローションなどがローション剤です。
▼ローション剤のOTC薬(市販薬)
ポンプスプレー剤
ポンプスプレー剤は、ポンプを押して薬をスプレーするタイプの薬です。手を汚さずに使えますが、液体が多く出ることがあるので、使いすぎないように気をつける必要があります。
スミル外用ポンプスプレーなどがポンプスプレー剤です。
▼ポンプスプレー剤のOTC薬(市販薬)
ゲル剤
ゲル剤は、ゲル状の薬で皮膚に塗って使います。べたつかず肌に優しいのですが、乾くのに時間がかかることがあります。
ボルタレンゲルなどがゲル剤です。
▼ゲル剤のOTC薬(市販薬)
エアゾール剤
エアゾール剤は薬を霧のようにして吹きかけるタイプで、使いやすく効率よく薬が届きますが、使った後にガスが残ることがあります。
アドエア125エアゾールなどがエアゾール剤です。
▼エアゾール剤のOTC薬(市販薬)
貼付剤(ちょうふざい)
貼付薬は、皮膚に貼って使う薬です。皮膚から薬が吸収されて、長い時間効果が続きます。
モーラステープ、ゼポラスパップ、ホクナリンテープなどが貼付剤です。
▼貼付剤のOTC薬(市販薬)
点眼剤(てんがんざい)
点眼剤は、目に直接さす薬です。目の炎症や乾燥、アレルギー反応、緑内障、白内障など、いろいろな目の問題を治すために使います。
オロパタジン点眼液、ヒアルロン酸点眼液などが点眼剤です。
▼点眼剤のOTC薬(市販薬)
点耳剤(てんじざい)
点耳剤は、耳に直接使う薬です。耳の痛みや炎症、耳鳴り、耳垢の除去などの耳の症状を治療するために使用されます。
タリビッド耳科用液などが点耳剤です。
▼点耳剤のOTC薬(市販薬)
点鼻剤(てんびざい)
点鼻剤は、スプレーや液体の形で鼻に直接使う薬です。
鼻づまりや鼻炎などの鼻の症状を楽にするために使われます。
フルチカゾン点鼻液などが点鼻剤です。
▼点鼻剤のOTC薬(市販薬)
吸入剤(きゅうにゅうざい)
吸入剤は、薬を霧にして吸い込む薬で、喘息や肺の病気に使われます。速く薬が届くので、呼吸器系の病気に効果がありますが、使い方を間違えると効果が薄くなることがあります。
アドエア100ディスカスなどが吸入剤です。
💊現在のところ、OTC医薬品(市販薬)に吸入剤はありません。
坐剤(ざざい)
坐剤は、肛門に入れて使う薬です。解熱剤や便秘薬、抗生物質などが坐薬として使われます。肛門に入れると、体温や分泌液で薬が溶けて、腸の粘膜から直接血液に吸収されます。そのため、飲み薬よりも早く効果が出ることが多いです。
アンヒバ坐剤、アルピニー坐剤、ボルタレンサポなどが坐剤です。
▼坐剤のOTC薬(市販薬)
まとめ
薬の剤形を理解することは、患者さんに薬の使い方や注意点をわかりやすく伝えるだけでなく、薬の管理や選定をスムーズに行うためにも役立ちます。
また、処方入力時に剤形に関する知識があれば、入力ミスを防ぐことができ、業務の正確性と効率が向上しますね。知っておいて損はない知識です!!
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